墓苑・霊園利用にかかる初期費用と支払いのタイミング
東京に住んでいる人の中には地方に両親のお墓があり、お参りに行くのも大変などの理由で、東京の中にある霊園や納骨堂を利用して移し替えるケースも少なくありません。また、自分が長男ではないため将来死んだときのお墓がない、東京の墓苑・霊園を生前に購入したいなどと考えるケースもあるわけですが、初期費用がどのくらい必要になるのかご存じでしょうか。
墓苑・霊園は3つの種類に分けることができる
墓苑・霊園と聞いたとき、両者には違いがありそうだと考える人も多いかと思われますが、墓苑はお墓の総称で霊園は公園と同じように整備が行き届いているなどの違いがあるだけで、基本的に同一と考えて良いでしょう。
ただ、墓苑・霊園には寺院墓地・民営霊園・公営霊園の3種類がありますので、それぞれの違いがどのようなものであるのか、これからお墓を購入する際には把握しておくことをおすすめします。
寺院墓地は、寺院の境内にお墓があるので本堂では49日をはじめ、各種法要をその場で執り行うことが可能です。宗教法人が経営母体になっていて檀家になる必要はあるけれども、お布施を行うことで手厚い供養をして貰えるなどのメリットがあります。
民営もしくは公営の霊園と比べると初期費用や管理費などが高めになりますので、費用を抑えたいなどの場合は公営もしくは民営の霊園を検討されると良いでしょう。 民営霊園や公営霊園など、墓苑・霊園の場合は敷地内が公園のような場所にあるのが特徴で、敷地内にはトイレや休憩所が設けられているケースが多くあります。
この二つは運営母体が民間企業によるものであるのか、地方公共団体になっているのかといった違いがあるのですが、寺院墓地のような宗教による制約がないこと、石材店が決まっていないので自由に業者を選んでお墓を作ることができる、しかも墓石の形状などの制約もないため好みのデザインを選べるメリットを持ちます。
東京でお墓を購入するときの初期費用とは?
納骨堂などの場合は、墓苑・霊園などと比べると初期費用を大幅に削減することができる、その理由の中には納骨堂にはお墓となるような敷地が要らないことと墓石などを買う必要がないなどが挙げられます。納骨堂は、民間もしくは宗教法人などが運営母体になっていて、宗教法人などの場合は寺院の境内の中に遺骨を安置する施設を設けていますので、天気が悪いときでもお墓参りができるなどのメリットもあります。
また、東京の中でもビルを利用した納骨堂などは、駅からのアクセスにも便利などから人気を集めていますし、基本的に永代供養を可能にする新しいお墓のスタイルなどから、子供がいないなどお墓の維持管理を行う人がいない家庭では最適なお墓のスタイルといわれています。
お墓を購入するときの費用は、一般的な墓苑・霊園などでは永代使用料・墓地管理費・墓石費用の3つが主体になりますが、霊園や石材店などのパンフレットや折り込みチラシなどの中には、永代使用料と墓石代が組み合わさった金額で表示されているケースもあります。
この場合は、どのような費用が含まれているのかしっかり確認しておきましょう。チラシ広告などの価格表記は、墓苑・霊園においての標準的なもの、最安値などが表記されているケースもありますし、実際に建墓するときには区画・石材の種類や使用量、形状や付属品などで金額が変わるため注意が必要です。
霊園やお寺の永代使用料は初期費用の一つ
一般的なお墓を買うときの相場は全国平均で約176万円といわれており、東京は土地価格が高いので相場はこれよりも高い約210万円です(いずれも2019年度における調査による相場価格)。永代使用料は初期費用の一つに相当する部分になるのですが、お墓の土地部分を永代使用権と呼びます。
そしてその使用権を買うときの費用が、永代使用料になります。法律が整備されているなどの関係から、墓地として利用するためには各自治体から認可を受けている必要がある、お墓を立てるときには寺院・公営霊園・民営霊園などに対して永代使用料を支払います。
ただし、お墓を作るときの土地は購入するわけでなく、寺院もしくは霊園からその土地を借りているため所得税・相続税・固定資産税などの税金を納める必要はありません。永代使用料の値段は不動産と同じように立地やアクセス環境が良い場所、そして土地としての希少性が高くて人気があるエリアになるほど高くなる傾向を持ちます。
このような値段の特徴から見ると不動産と類似しているイメージがあるかと思われますが、これは土地の所有権ではなく永代にわたりお墓を使える権利でもあり使用権を得るといった相違点があるわけです。また、この使用権の価格は購入したお墓の土地面積によっても変わります。全国平均では1.44平米が相場といわれていますが、東京都では0.63平米と狭くなります。
お墓を作るときの初期費用は、永代使用料・墓地管理費・墓石費用の3つが主体になります。永代使用料はお墓を永代にわたり使い続けることができる権利を買うための費用で、お墓のある場所の土地を買うわけではありません。お墓を買うときの相場は、東京では約210万円といわれています。